金持ちになる方法(2/2)

ばぶこ

 ○解説 「金持ちになる方法」について    場部仔(評論家)

 金持ちになる方法については、今までいろいろな本が出されているが、これはそれらとは全く違った種類の物である。この本では大金をがばっと稼ぐ方法を教えているのではない。数十円、数百円をちまちまと稼ぎそれをちまちまと節約する方法が載せられている。
 これは一見つまらないことのように思えるが、実はとても重要である。これなら元手のない小学生なんかでも躊躇せず今すぐに実行することができる。ここが低年齢層を狙った筆者の発想力の勝利というところであろう。
 また、子供たちにこうした本を読ませることによって、少ないお金の大切さというのを教えるのも良いことである。今では親にねだりさえすればお金が手に入り、一万円札を持ち歩く小学生が現れたりしてお金のありがたみというのが分からなくなっている子供も多い。もしかしたら筆者はそんな社会現象に待ったをかけようとしたのかもしれない。そういう意味でこの本は現代社会への問題提起とも言えるであろう。
 ただし、一つだけ問題点がある。その唯一にして最大の問題点は、ここに書いたすべてを実行した筆者ばぶこが、貧乏人であるということだ。


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