分別回収

ばぶこ

「なあ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「なんだよ」
「氷を捨てようと思う訳よ」
「ふーん。捨てれば?」
「いやそれがさ、どこに捨てていいのかわかんなくて」
「は?」
「つまりな、今、目の前にゴミ箱が4つあるわけよ。”新聞・雑誌”、”ビン・カン”、”燃えるゴミ”、”燃えないゴミ”の4つな。新聞雑誌とビンカンは違うと思うんだけど、燃えるゴミだか燃えないゴミだか、どっちだと思う?」
「…燃えるゴミじゃねーの?」
「でも氷が燃えてるの見たことないぜ」
「だって燃えないゴミってのは、プラスチックとか金属とか、そーゆーのだろ?」
「プラスチックは燃えるだろう」
「いや、燃やしたらなんか有毒ガスとか出るらしいよ」
「それじゃ燃えないゴミじゃなくて”燃やしたらいけないゴミ”じゃねーか」
「しらねーよそんなこと俺に言われても」
「で、結局氷はどっちなんだよ」
「てか氷なんてどーせ溶けたら水になるんだからその辺に捨てちまえばいーじゃねーか」
「ゴミのポイ捨てはいかんよ」
「道に水まくのと似たよーなもんだろ。アレはポイ捨てとはいわんぞ」
「でも道のど真ん中に2メートル四方の氷の塊があったら明らかに邪魔だぞ」
「どんなでかい氷なんだよ」
「いや、たとえばの話だ。そんなでかいわけじゃない」
「もういいじゃん。川にでも捨てちゃえば?」
「おおなるほど。それなら問題ないな。よし、そうしよう」
「ふう。やっと片づいたか…」
「ところでもう一つわからないものがあるんだけど」
「何だよまだあるのかよぉ」
「カーテン」
「カーテンは布だから燃えるだろ」
「でも耐火性。火事の時も安心」
「知らねぇよもう!」


ENDLESS


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